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※文章は新聞記事のまま掲載
![]() 『平成9年5月4日 読売新聞江東版』 |
墨田区の横川二丁目町会(片切英雄会長 、四百五十世帯)で、神輿を作り直そうと と呼びかけたところ、町会の大半の世帯 から予想を大幅に上回る約二千五百万円 もの寄付が集まった。完成のお披露目を 兼ねて三日行われた担ぎ初めでは、同町 会の人たちが「下町の団結力で不景気を 吹き飛ばそう」と意気を上げていた。 |
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同町会で神輿新調の計画が持ち上がったのは、三年前の秋。それまでの神輿は七十年以上前のもので傷 みがひどく、町会の有志の会合の席で、「みんなで積み立てをして作り直そう」という話が出た。 それを受けて、町会の役員会で検討し、「できる範囲でお金を出し合い、毎月積み立てていこう」とい うことになった。 試算では全役員六十五人の積み立て分が千三百万円。総費用は約千八百万円と見積もっていたので、「 町会の各世帯に呼びかければ何とかなる」と判断。その年の十一月、町会内に「神輿新調準備委員会」を 作って寄付集めにかかった。 町会内の企業や自営業者、サラリーマンの家庭などを役員らが回って協力を求めた。「景気が悪いから ……」と言いながらも、みんなが寄付に応じてくれ、費用見積もりを大幅に上回る二千五百万円が集まっ た。中には、五十万円の寄付を出してくれた人もいた。その後、千葉県市川市の職人に製作を依頼。神輿 の大きさの基準となる台座の寸法を、以前の神輿と同じ七十センチ四方にする予定だったが、予想外に寄 付が集まることになったので、急きょ一回り大きい七十六センチ四方で注文した。さらに、子供用の小さ い神輿も一緒に依頼した。 積み立ては先月終わり、下旬に神輿を引き取った。 この日行われた担ぎ初めは、あいにくの雨のスタート。しかし、そろいの法被を着た約三百三十人は「 エイヤーッ、エイヤーッ」と威勢よく声を上げ、四囲に竜の彫り物を施し、最上部に金の鳳凰を乗せたま ばゆい神輿を担いだ。近隣の十三町会の会長らも応援に駆け付け、三時間余りかけて町会内を練り歩いた 。 片切会長は「この不景気にこれだけの寄付が集まるとは……。下町の団結力と心意気を改めて実感した 」と目を細め、副会長の加茂登千さんも「下町の人間にとって神輿は心のよりどころ。みんなの心を一つ にして不景気を吹っ飛ばそうという願いの表れでしょう」と話していた。 |
